poco a poco

新潟市西区にある坂場ピアノ教室のブログです。poco a poco(ポコ ア ポコ 少しずつ)自分のペースで音楽を楽しむ毎日を。

イマジネーションを広げる

子供のレッスンをする場合、大切にしていることは何点かありますが、その中の一つに「イマジネーションを広げる」があります。

表現が漠然としているので詳しく言いますと、曲のタイトルや曲の雰囲気から、どういう情景や物語があるのかを想像するということです。
「つきのひかり」という曲であれば、月はどういう形をしているのか、空には雲があるのか、月の下にはどのような光景が広がっているのか、この月の下にいる人はどのような気持ちなのか、などなど、生徒さんにわかりやすい言葉で質問しながら、曲の背景を作っていきます。
この情景が生徒さんの中ではっきりすると、ピアノから出てくる音が変わります。マイナー調の曲をとても元気良く弾いてきた子が、静かな音を出そうと工夫を始めるのです。

小学校低学年のある女の子は、曲のタイトルやイラストをヒントに、小さな物語を作ってきてくれます。
それを元に絵を描いたり、設定を事細かにお話ししてくれます。
そのイマジネーションの豊かさには驚かされるばかりで、その子の紡ぎだす音色はたくさんの色彩であふれています。

楽譜に書かれている音を正確に読み、楽譜の指示通りに弾くことも大事ですが、それだけではなんとも味気ない。
音楽は、人の心の表現です。楽譜の中に物語が描かれています。
楽譜を読み解き作り上げる過程は、子供の創造性を養うのにぴったりです。
それは、ピアノに限らず様々な分野で応用のきく力となっていくものです。

イマジネーションははっきりと目に見えるものではないですし、レッスン方法も考え方によっては無数にあります。
私自身も日々自分の創造性と向き合いながらレッスンをしています。