読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

poco a poco

新潟市西区にある坂場ピアノ教室のブログです。poco a poco(ポコ ア ポコ 少しずつ)自分のペースで音楽を楽しむ毎日を。

人の心を動かすには

今日は教室のことから少し離れ、ここのところ考えていることをつらつらと書いてみたいと思います。

うまく弾けているけれど心に残らない演奏を揶揄する言葉に「BGMみたいな演奏」というのがあるのですが、ピアノを教え始めて痛感するのは、BGMみたいに聴こえるまでには膨大な技術の積み重ねが必要だということです。
なんのひっかかりもなく自然に聴こえる音楽は、意識的にも無意識的にも数多くのことをやっているんですね。
これは音楽だけに限らずどの分野でも言えることだと思います。

じゃあ、自然な演奏のその先にある、心に残る演奏にするにはどうしたらいいのかっていうことが肝心な部分なわけで。

私は「細部まで作り込む」ことが大事だと思っています。

先日、PCにUSBで取り付けるスピーカーを友人からもらったのですが、スピーカーを通して聴いてみると、音の立体感が全然違うんですね。
何が違うのかなあとよくよく聴いてみると、パソコン本体のスピーカーとUSBで繋ぐスピーカーでは、聴こえる音の数が違うんです。USBのスピーカーはパソコンよりも多くの音を拾って再現している。
どちらも同じ音楽なんだけど、聴こえるか聴こえないかわからないような些細な音の数の違いで、仕上がりに圧倒的な差が出る。

普段私たちが見ている世界は脳が勝手に情報を取捨選択した結果であって、実際はもっと多くの情報量を取得しています。
本当は、見えていないものを見ているし、聴こえていないものを聴いている。言語化できない物事を感じている。
そして、そのはっきりと知覚できていない部分から人は想像以上に多くの影響を受けているんじゃないかと思うのです。

物を作り、表現して人の心を動かすためには、それらの部分にまで働きかけるよう神経を研ぎ澄ませることが必要なのではないかと。
それには、細かく細かく作り込む。
シンプルにすることや、何かを削ぎ落としていく作業は、それらをやり切った上で初めて効果が出るんじゃないかと思っているんです。
「神は細部に宿る」「美は細部に宿る」という言葉の大元の意味は私にはわかりませんが、そういうことなんだろうと思います。

勢いだったり偶然だったりで感動してもらえることもあったりするのだけれど、
何が人の心を動かすかなんてそうそう計算できるものではないのだけれど、
せっかく何かを表現するなら出来うる限りのことをしたい。
それはとても難しい作業なのだけれど、多分そこに面白さがぎゅっと詰まってる。

だけど、一番大事なのは「愛」だったり「気持ち」だったりするんですよね。
それも目には見えないもの。
でも、人はそれを感じることができるんです。

「表現する」ということは、本当に奥深いものですね。