poco a poco

新潟市西区にある坂場ピアノ教室のブログです。poco a poco(ポコ ア ポコ 少しずつ)自分のペースで音楽を楽しむ毎日を。

年を取るということ

今日のブログは教室のことではなく、私個人のことです。

4月に開催する発表会で講師演奏をするのですが、今回初めて暗譜の壁にぶち当たっています。

暗譜とは、楽譜を見ないで弾くこと。
大学の先生が、「年を取ると年々暗譜が大変になる」とよく言っていたのですが、それを実感しています。
全然覚えられない。
とにかく練習して1ページずつ亀の歩みで覚えていっている状態です。

もう年だから、という言葉が好きではないので普段あまり言わないようにしているのですが、今回ばかりは「もう年かー」と天を仰ぎたい気持ちでした。

でも、必死で練習をしていくうちにあることに気付きました。
楽譜の覚え方が、学生の頃とは全く違うのです。

私の暗譜の仕方は、これまでひたすら感覚でした。
練習を続けていけば勝手に指と耳が覚えるといった感じ。
でも今回は、練習をしていくごとに頭の中に楽譜が書き込まれていきます。
楽譜がそのまま記憶にダウンロードされていくような感覚です。
この暗譜の仕方は初めてで、自分でもびっくりしてます。

これ、すごいことだなと思ったんですよ。
年を取って退化するところがあるのは当然なのですが、それを別の方法で補う、または新しい方法を生み出すことができるということですよね。

肉体の老化は必ずやってくることですから、若い頃と同じやり方をいつまでも続けていくことはできません。
でも、失った感覚に変わる新しい方法を見つけることができれば、いつも新しいやり方で物事に携わっていくことができる。
それによって見える景色も増えてくる。

この発見は私にとってとても大きなことでした。

肉体的な生理現象として諦めていくこと、手放していくことはどうしてもありますが、常に新たに学び続ける姿勢を失わなければ、年を取ってもやれることはたくさんあるなと思った次第です。
もう年だから、で諦めてる場合ではありません。

ひとまず、新しい暗譜の仕方で講師演奏を頑張ります。

そして先日、Facebookでこのことを投稿したのですが、「ピアノの先生も暗譜の悩みを持つんですね」というコメントをいただきました。
ピアノの先生も色々悩みますよー。
先生方の中にはもちろん特別な才能をお持ちの方々もいらっしゃいますが、私はこれまでひたすら練習と努力で技術を習得してきているので、生徒さんたちと悩みはそう変わらないんですよ。

いくつになっても、どんな立場であっても、常に学んでいこうと思ってます。