poco a poco

新潟市西区にある坂場ピアノ教室のブログです。poco a poco(ポコ ア ポコ 少しずつ)自分のペースで音楽を楽しむ毎日を。

感性を育てる

昨日、大人の生徒さんのレッスン中に、その方が先日ふらりと入った写真展の話から、「感性」の話になりました。

私は普段、音楽だけではなく、写真、絵、映画、演劇、本、などなど、できるだけ多くのものを見ようと思っています。
世界的な評価を得ているものから、個人的な趣味の小さな展覧会のものまで幅広くです。
それは、自分なりの感性を養いたいからです。

芸術に、絶対的な答えはありません。
ひとつの作品から人が感じるものは千差万別。
評論家が絶賛する作品なのに感銘を受けないこともあれば、無名の方の作品に脳天を直撃されたかのような衝撃を受けることもあります。
なぜそう感じたのかはっきりと言葉にできなくても、その感覚を大事にしていると、蓄積された感覚が自分なりの感じ方=感性を少しずつ育てていきます。
感性を磨けば磨くほど、見えるものや感じることが増えますし、それらが色鮮やかになります。
その蓄積の末、数年後に同じものを見たときに全然違う感じ方をするのもまた楽しかったりするんですね。

音楽をやっていく上で、感性はとても大事です。
感じられるものが多ければ多いほど表現できることが多くなりますし、私自身教える仕事をしていますから、感性を磨くことによって生徒さんたちに伝えられるものも自ずと増えていきます。

そして、多くのものを見る上で大事にしているのは、「よい」作品も「よくない」作品も見ること。
「よくない」ものも知らなければ、「よい」作品がなぜ良いのかも見えてこないんですね。

それから、心のゆとり。
気持ちがいっぱいいっぱいの時は、平静な時に感じられるものが感じられなくなります。
アーティスト?と呼ばれる人たちがゆったりしているように見えるのは、意識的にも無意識的にも、何かを感じる余白を心の中に作っているからなのかもしれません。

昨日の生徒さんの写真展の感想は、その方独自の表現で、聞いていてとても面白いものでした。
私は近日中に万代島美術館で開催されている「篠山紀信展」に行く予定です。
そこで何を感じるのか、今からとても楽しみです。